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導入事例 朝日ウッドテック株式会社様
経営トップ自らが「相談しやすい窓口」の設置を重視
「聴いてもらうこと」が重大なコンプライアンス違反を防ぐ


天然木の美しさを広めることで世の中に貢献していきたい
御社の沿革と事業内容について教えてください
当社は1952年(昭和27年)に設立しました。木質内装の建材メーカーで商品の企画開発から製造、販売までおこなっています。
価値の高い美しい木を活用し快適な自由空間を提供することで、多くの住宅会社様とお取引をいただいています。
メインで取り扱っているのは輸入材です。直接目に見えたり肌に触れる表面の部分は非常に価値の高いウォールナットやメープルといった北米やヨーロッパの広葉樹を使っています。家具や、楽器にも使われるような銘木と呼ばれる木ですね。
一方で見えない土台となる部分は以前は東南アジアの南洋材(通称ベニヤ板)を使用していましたが、近年は環境保護の観点から調達が困難になってきていることから、植林木や国内の杉やヒノキなどを使うことも徐々に増えてきています。
個人のお客様とのお取引はなく、ハウスメーカーや工務店、リフォーム会社などの法人がお客様です。価格競争にならないよう、できるだけ付加価値の高い商品での戦いを心がけています。
社長自ら「相談しやすい窓口」として第三者機関の窓口を推薦
窓口導入の経緯や背景、選定のポイントを教えてください。
導入前は人事が対応する窓口と、顧問弁護士の窓口を設けていましたがほとんど利用はありませんでした。
弊社の社長がこの制度に対して意識を高く持っており、「自分の会社の人事に直接相談するのも言いにくいだろうし、弁護士は一般の従業員からすると相談をするのは敷居が高いのではないか。外部にこのような窓口を委託できる機関があるのでは?」と言ってくださり、NEC VALWAYさんにお願いしたという経緯があります。
2019年に情報収集や検討を行い2020年に契約しましたが、当時は他社と比較検討するほどこのようなサービスはなかったと思います。世の中にまだそんなに展開されていない中で、NECグループが提供している「NEC 内部通報窓口代行サービス」なら信頼性も高いだろうということで相談させていただきました。
匿名通報を受付してくれて、さらに案件に対しリスクレベルとコメントを入れていただけるところと、メンタルヘルス不調への対応も当時社内に通す時にはポイントとして挙げていたと思います。
「ハラスメント防止宣言」が理解を深め窓口の利用増加につながった
窓口周知の施策や工夫したポイントを教えてください
導入前に部門責任者が出席する経営会議でアナウンスを行い、全社向けにもメールで配信し、同時にカードも配布しました。「フォレスト」という社内報を四半期に1回発行していますが、そちらにも掲載しました。
社内ポータルからもNEC VALWAYさんの通報用WEBフォームに飛ぶようにしています。そのような取り組みで相談窓口が社内の間でずいぶん広まりました。また、外部の講師を招き、管理職を中心にハラスメント研修も実施しています。
導入して1年は通報相談件数は多かったと思います。今まで溜まっていたものが噴出したのかもしれませんが、1年目が多くそのあとはしばらくして落ち着いたと思います。
2022年10月3日、社長から「ハラスメント防止宣言」を出したことで、従業員の窓口への理解もさらに深まり窓口の利用増加に繋がったと感じています。現在年間で20件ほど通報相談が入ってきています。職場改善などの相談案件が多いですが、社員が安心して相談できる窓口ができたことは本当に良かったと思います。サービスを利用開始してからこの5年で通算70件ほどの通報相談が入ってきています。
現在の社内の体制は実働4名
高リスクの案件は社内連携
現在の窓口の受付と調査体制について教えてください

実働は4名でうち1名がオペレーション中心という体制です。
4人がレポート納品の通知先になっていますので、同時に通報があった旨通知が入ります。一番早く気付いた者が確認し4人に共有します。オペレーション担当者を除く3名で対応方針を検討し、社内の対応を進めます。役員から被通報者になってしまった部門責任者に話を共有してもらったり、場合によっては顧問弁護士に相談しています。レポートに対するフィードバックはオペレーション担当者が行います。
ハラスメント事案であればリスク管理委員会にあげて委員会のメンバーと監査役、内部監査室長と相談して調査チームを作って動いていくという社内のルールがあり、対象部署の担当役員や部長クラスにも相談して進めます。NEC VALWAYさんの窓口で受けた通報もリスク管理委員会にあげるものがあります。大体は被害者・行為者いずれも実名です。
ハラスメントは年に2・3件入ってきています。ゼロになることはなかなかないですね。リスク管理委員会にあげる案件は法的なリスクがあり長期化すると考えたもので顧問弁護士も含めてきちんと対応していこうというものになります。

相談までいかないような事案が組織的な問題を浮かび上がらせた
サービス導入後、苦労していることはありますか
年間入ってくる案件の大半が相談までいかない、部門内で解決できるのではないかと思うようなものです。そういった声をあげられるようになったことは良かったとは思いますが、その声に1つ1つ誠実に応えようと回答をお返ししても、反応がなかったりすることもあります。
ただ、社外窓口を通して我々にこのような話が入ってくることで、職場の組織的な問題が浮かび上がったという点は良いことでもあります。
一方で匿名通報なので、同じ部署から複数似た内容のものが上がってきても、それが複数の方の声なのか、一人が何度も声をあげているのかが分からないのはネックになっています。
せっかく職場の問題をあげていただいたので、それに応えて改善したいという思いがありますが、匿名では通報・相談して多少ご本人の気が晴れたとしても本質的な解決はされていません。組織的な問題なので組織の方にメスを入れないといけないのですが、特定できずに遠回りになってしまい、なかなか改善できないようなこともあり、難しいなと感じていますね。
相談のハードルが下がったことが大きな不祥事の芽を摘んでいる
サービスを導入してよかった点、他社にお勧めするとしたらその度合いを教えて下さい


従業員の離職/退職防止にこの制度がどのくらい効果があったか立証することは難しいのですが、従業員の不満のもっていきどころにはなっていると感じます。元々あった人事の窓口や弁護士には言えないのでしょうが、自分たちの中にたまった不満の吐き出し口になっていると思います。
それをNEC VALWAYさんの窓口に言ってもらいレポートがきて対応することで、弊社も対応の改善が多少なりとも図れています。
大きな不祥事が起こるときというのは大体不満の蓄積の結果であったりしますので、大きな問題や重大なコンプライアンス違反ではなくても、事態が悪化する前に聞いてもらうことで収束効果が高まっているのではないかと感じています。
導入前までは、従業員の間で何かが起こった時に社内で言う先があまりなかったこともあり、相談先の選択肢として社外が増えたということは良かったと思います。困った時に通報相談するハードルが下がったことも従業員にとってはとても良かったと思います。受け手にとっては少し大変なところもありますが笑
サービスのおススメ度ですか?5段階評価の「5」で良いと思います。要望希望はもちろんありますが、いろんな意味で助かっています。